[更新日] 2021年6月2日

工場・製造業の事務受付の仕事内容とは?

工場で生産・製造された製品は色々な過程を経て消費者の元へ届きます。

製品の生産・製造だけでなくその後の物の流れ、企業、工場の色々な処理にも携わっている仕事が事務・受付です。

製造業界と工場における事務・受付の仕事内容、働くために必要なもの、事務や受付ならではのメリット・デメリットをご紹介しています。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

製造業界の事務・受付の仕事内容とは

製造業界における事務・受付のお仕事は、工場から企業の本社・支店まで幅広い場所で活躍しています。実際の事務・受付のお仕事内容について見てみましょう。

一般事務・受付

パソコンを使用した事務処理です。伝票の処理やファイリング、文書の作成、電話やメール応対などを行います。また、工場やオフィスを訪れたお客様の案内を行う受付業務は、一般事務を兼務していることもあります。工場や企業のショールームなどのご案内から、工場見学予約や来訪の受付やスケジュール調整、お客様のお茶出しなどの接客応対などを行います。

さらに、工場ならではの事務のお仕事内容に、工場で稼働している機械の管理があります。メンテナンスやマシンセンターのお仕事と似ている業務に、工場の機械の稼働率を製品の生産量に合わせて調整したり、機械の稼働そのものをパソコン上から制御したりするお仕事もあります。

営業事務

工場で生産・製造した製品をお客様へ届ける、または製品の原材料の仕入れなどを行う事務です。オフィスの中で営業職のアシスタントとして直接お客様や仕入れ先と電話やメールでやり取りを行うだけでなく、オフィスと工場間で生産調整や納期調整、製品の出荷指示や在庫管理などのやりとりも行います。なお、製造業界における営業事務は「調達」や「デリバリー」と呼ばれます。

総務・経理・人事事務

製造業のオフィス内では、総務や人事などの事務職もあります。また、オフィス・工場内共に経費の精算や毎月の帳簿つけ、売掛金買掛金管理などを行う経理事務もあります。

製造業界の事務・受付のメリット

製造業界の事務・受付のお仕事に就く前に知っておきたい、メリット・デメリットをご紹介します。

未経験者から経験者まで働ける

製造業界での事務・受付のお仕事は、未経験者でもチャンレンジできる求人も多いため、他職種から事務・受付に転職してみたい人にもおすすめです。また、幅広い働き方ができるため、妊娠や出産、配偶者の転勤などの理由で退職した事務・受付の経験者が、その経験を生かして社会復帰を目指す時にも、製造業界の事務・受付は門戸が広くなっています。

幅広い働き方ができる

製造業界での事務・受付のお仕事は、工場内はもちろん、工場の母体企業のオフィス内で働く職種もあります。いずれも正社員だけでなく派遣社員やパート、アルバイトの募集も多いため、幅広い働き方ができます。育児や介護と両立させたい主婦の方のパートやアルバイトとして、また現在非正規雇用の方が正規雇用を目指すための職種としても働けます。さらに、工場内なら地方都市で、オフィス内なら都市部で募集していることがほとんどのため、幅広い地域で働ける職種でもあります。

技術がなくてもものづくりに携われる

製造業界で働くには、特殊な技術や製品に対する知識、機械や技術を操作、使う時の資格や免許が必要とイメージされる方も多いです。実際の現場でものづくりに携わる時には、当然必要な技術や知識、免許などもありますが、事務・受付のお仕事なら特殊な技術や知識、免許がなくてもものづくりに間接的に携われます。自分の興味のある製品を取り扱っている企業のオフィスや工場の事務・受付として働けば、製品を取り扱った仕事ができるので、やりがいも高いです。

多くの人と関われる

製造業界での事務職は主に調達やデリバリーと呼ばれる営業事務の割合が高く、求人募集も多くなっています。営業事務は電話やメールでのやりとりも多く、お客様や工場・オフィス間での頻繁な連絡業務も発生します。また、受付は企業や工場を訪れたお客様に毎日接するお仕事です。多くの人と関われる職種のため、人と話したり関わったりするのが得意・好きな人に向いているお仕事です。

製造業界の事務・受付のデメリット

迅速な対応が求められるのでマイペースな人には不向き

製造業界の事務は、イレギュラーな対応も多い職種です。製品の生産計画が変更になった時にはすぐに製品の製造や仕入れをストップさせて過剰在庫にならないようにしたり、逆に納期を詰めるために生産調整をしたりしなければいけません。さらに、お客様から「製品を明日欲しい」と言われればすぐの出荷の手配が求められます。出荷したはずの製品がお客様に届かない時には物流業者へ問い合わせを行って荷物を追跡し、万が一輸送中の破損や欠品が起きた時にはお詫びと共に代替品の手配をします。常にスピーディな対応が求められることが多いので、のんびりマイペースに仕事を進めたい方には向いていません。

製造業界の事務・受付に向いている人

製造業界の事務・受付のお仕事をするために必要な心構えや、あると有利な資格についてご紹介します。

パソコンスキル

製造業界の事務・受付で必須なのがパソコンスキルです。エクセルやワードなど基本ソフトの使い方は押さえておきましょう。また、求められるパソコンスキルの高さは、募集している求人内容によって異なりますので、どのくらいのスキルが必要なのかを確認すれば、未経験者でも挑戦しやすい求人が見つかります。

ビジネスマナー

製造業界の事務・受付は電話やメールを含めて、多くの人と関わるお仕事です。せっかく要望通りの製品を作っても、その製品をお客様の元へ納める時などに対応が悪いと、その後の取引に悪影響が出てしまいます。また、受付のお仕事は工場やオフィスで最初に対応する職種のため、企業の第一印象を決める大切なポジションでもあります。敬語や接客応対、電話応対やメールマナーなど、ビジネスマナーは必須ですので、必ず身に着けておきましょう。

コミュニケーション能力

ビジネスマナーと共に必要となるのがコミュニケーション能力です。相手に不快な思いをさせてしまうと、せっかくの製品や企業の技術力も台無しになってしまいます。多くの人と接してもスムーズに製品の納入ができる、コミュニケーション能力を身に着けておきましょう。

柔軟性

お客様との「すぐに作って欲しい・やっぱりいらない」というやり取りも頻繁に発生する製造業界の事務では、すぐに対応できる柔軟性や臨機応変さも必要です。また、納めた製品に不良品や欠品があったり、輸送中に壊れてしまったりなど、イレギュラーな対応も多く求められます。

MOSや秘書検定があるとアピールに繋がる

製造業界の事務・受付を目指す上で取得しておくと、効果的なアピールに繋がり有利となる資格がMOSと秘書検定です。

MOS(Microsoft Office Specialist)

MOSは、株式会社オデッセイコミュニケーションズが運営・実施している、マイクロソフトのオフィスソフトであるエクセル・ワード・パワーポイント・アクセス・アウトルックの各ソフトのスキルを試す検定試験です。ソフトごとに受験でき、エクセルとワードにはスペシャリストレベル(一般)のほか、エキスパートレベル(上級)も設けられています。

また、各ソフトだけでなく全てのオフィスソフトを総合的に使いこなせる「マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター」も用意されています。

参考:MOSとは|MOS公式サイト

秘書検定

秘書検定とは、社会人として働く上で身に着けるべき、基本的な常識やマナーの検定試験です。公益財団法人実務技能検定協会が運営・実施していて3級・2級・準1級・1級が設けられています。検定試験は筆記試験のほか、面接試験も実施されています。

参考:ビジネス系検定 秘書検定とは-公益財団法人実務技能検定協会

まとめ

製造業界の事務・受付のお仕事内容についてご紹介しました。幅広い働き方のできる事務・受付のお仕事は陰ながら製造業を支える大切な職種です。初めて事務・受付の仕事に就きたい方から、今までの経験を生かして社会復帰を目指したい方までぴったりの求人も多く出ています。ぜひ製造業界の事務・受付の仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。