[更新日] 2022年3月14日

大型重機・特殊重機の仕事内容!クレーンや油圧ショベルの操作に必要な免許とは

製造業から建設業まで、幅広い現場で活躍しているのが大型・特殊重機です。ここでは大型・特殊重機のお仕事や種類、活躍分野と必要な免許・資格、メリット・デメリットを解説しています。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

大型・特殊重機とは

大型・特殊重機とは人の力のみでは難しい作業や施工のために生まれた大型の機械です。小型重機はガソリンエンジンが多い一方、大型・特殊重機はディーゼルエンジンが多くなっています。日本では、戦後の復興に伴う大規模な工事や建設に伴い、多くの大型・特殊重機及び重機メーカーが誕生し、現在まで活躍しています。

いずれの大型・特殊重機共に大きなパワーを持ち操作を誤ると大事故にも繋がりかねません。よって、注意喚起を促す色である黄色を始めとした、明るい色の塗装が採用されています。

大型・特殊重機の活躍する業界とは

重機の活躍現場

製造分野

自動車や鉄鋼、造船や機械など比較的重量の大きな製品を作る「重工業」から、紙やバルブなどの軽い製品を作る「軽工業」まで、あらゆる製造分野においても大型・特殊重機が活躍しています。

本項では、主に製造工場で活躍する大型・特殊重機について記述します。

建設現場

土木や建築を担う建設現場でも、多くの大型・特殊重機が活躍しています。なお、建設現場で活躍する大型・特殊重機のみを区分して「建設機械(建機)」と呼ぶことがあります。

その他の現場など

人の手では作業が難しい・危険が伴う場所、またはより大量の製品を効率的に製造するために近年工業用・建設用ロボットが投入されることも多くなりました。大型・特殊重機の中にはこれらの無人ロボットが含まれることがあります。

工場や製造業で活躍する大型・特殊重機の種類

重機の種類

油圧ショベル

車体前方に油圧可動式のバケットを持ち、掘削や掘り起し、ダンプトラックへの積み込みを行う大型重機が油圧ショベルです。パワーショベルやユンボとも呼ばれます。

一般的な超大型油圧ショベルのほか、より深い穴を掘れる長いアームを持つスーパーロングフロント仕様もあります。また、先端のバケットを取り外して以下の様々なアタッチメントに付け替え可能です。

建設現場でおなじみの存在ですが、工場でも多くの素材や材料を取り出す時、材料を機械の中に投入する時などに大型の油圧ショベルが活躍しています。

クレーン

ワイヤーロープなどで鉄骨や重い荷物を吊り上げ、高所への持ち上げや船舶への積み込みを行う重機がクレーンです。多数のタイヤを持ちトラックとクレーンを分離して移動可能で、現場で合致して使用するオールテレーンクレーン、移動式でトラックとクレーンそれぞれに運転席のあるトラッククレーン、コンパクトで小回りの利くラフテレーンクレーン、足場の悪い現場でも使用可能なクローラー式クレーンなどがあります。

低所から高所への持ち上げ時、素材を搬入する時など工場でもクレーンが用いられています。

フォークリフト

工場での物資の運搬や上げ下ろしの時には、色々な形のフォークリフトが活躍しています。

工場の給料アップの定番!フォークリフト操作に必要な資格・免許とは

コンパクタ

工場や廃棄物処理施設で活躍します。アルミや鉄などの金属でできた素材を踏みならし、固めて小さくする重機です。

大型・特殊重機の免許・資格

重機の免許や資格

大型・特殊重機の操作には車両ごとに専用の運転免許や技能講習の受講が必要です。運転免許は特殊車両の免許取得が可能な教習所に通うなどして、学科と実技試験に合格すると取得できます。

技能講習および特別教育は労働安全衛生法第61条の「就労制限」に該当する大型・特殊重機の操作に必要です。都道府県労働局長登録教習機関、企業などの事業所で受講できます。

(就業制限)

第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局 長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。

2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なつてはならない。

労働安全衛生法 第6章 労働者の就業に当たっての措置(第59条-第63条)|安全衛生情報センター

フォークリフト運転者

技能講習を受講すると最大荷重1t以上、特別教育を受講すると最大荷重1t未満のフォークリフト・ストラドルキャリア・コンテナキャリア・トップリフター・クランプリフトなどが操縦できます。

車両系建設機械運転者

車両系建設機械 機体重量3t以上と小型車両系建設機械 機体重量3t未満があります。ブルドーザーや油圧ショベル、ホイールローダーなどの建設機械の運転に必要ですが、工場で油圧ショベルの操作を行う際にも必要です。

移動式クレーン運転士

移動式クレーン運転士免許を取得すると、吊上荷重5t以上を含めた全ての移動式クレーンの操作が可能です。

クレーン・デリック運転士

クレーン・デリックの免許

つり上げ荷重が5t以上のものを含めて、全てのクレーンとデリックを運転できるクレーン・デリック運転免許のほか、クレーンのみのクレーン限定免許、床上運転式クレーンのみの床上運転式クレーン限定の3種類の免許があります。

クレーン・デリックの技能講習

つり上げ荷重が5t以上の床上操作式クレーン床上操作式の運転・操作に必要なクレーン運転技能講習、つり上げ荷重が0.5t以上、5t未満のクレーンとつり上げ荷重が5t以上を含むすべての跨線テルハの運転、操作が可能なクレーンの運転の業務に係る特別教育、つり上げ荷重が0.5t以上、5t未満のデリックの運転、操作が可能なデリックの運転の業務に係る特別教育の3種類の技能講習があります。

大型・特殊重機のお仕事のメリット・デメリット

重機の仕事のメリット・デメリット

操作が好き・得意な人ならやりがいも高い

工場での大型・特殊重機は人間よりも大きな機械を操作し、色々なものを作り出すお仕事です。元々乗り物の運転が好き・得意な人なら生かして働けるためやりがいも高いです。

資格を取得すると仕事の幅が広がる

大型・特殊重機の操作には特定の免許や資格が必要です。これらの免許や資格を取得しておけば、操作できる大型・特殊重機も増えてチャレンジできる仕事の幅も広がります。さらに新しい仕事を任せられたり、資格や免許を生かしてキャリアを積んだりも可能です。

女性でもチャレンジしやすい

大型・特殊重機のオペレーターとして活躍する女性も多くなりました。大型・特殊重機の活躍する現場として代表的なのが建設現場ですが、建設現場は圧倒的に男性の割合が高いため、応募を躊躇してしまう女性も。工場の大型・特殊重機のオペレーターなら、工場内のお仕事ですので女性の割合も高く、チャレンジしやすくなっています。

デメリットは資格や免許取得が必要なこと

大型・特殊重機の操作のために必要な、資格や免許取得の費用や時間がかかることがデメリットです。ですが、工場の大型・特殊重機の求人の中にはほかの工場の仕事をして実務経験を積みながら、資格や免許取得が目指せるものもたくさんあります。また、資格や免許取得の勉強や対策を行えば取得できるものなので、未経験者でも大型・特殊重機のオペレーターになれるチャンスは多くあります。

まとめ

工場における大型・特殊重機のオペレーターは今後の需要も期待できる職種です。資格や免許取得をまず目指せば、オペレーターとして活躍できます。