[更新日] 2021年6月2日

工場の清掃・洗浄の仕事内容とは?

色々な物を生産・製造する工場で行う管理システムのひとつに、衛生管理があります。工場の衛生管理体制や環境を左右する大切な職種が清掃・洗浄です。

工場の清掃・洗浄の仕事内容やメリット・デメリット、仕事探しに必要なものについて解説しています。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

工場の清掃・洗浄の仕事とは

工場の衛生的な環境を保つだけでなく、工場の機器を長持ちさせる役割も担っているのが工場の清掃・洗浄のお仕事です。それぞれの仕事内容について見てみましょう。

工場の清掃とは

窓ふきや床の掃除機掛け、床の掃除など工場を全体的にきれいにする、または業務用機器の整備に伴ってきれいにする作業が、工場の清掃のお仕事です。一日の作業が終わった後など、毎日定期的に行われる清掃作業もあれば、月に一度や数か月に一度の頻度で行う、規模の大きな清掃作業もあります。清掃を行う事でいつでも清潔な環境で生産・製造が行えるほか、異物混入防止や業務用機器を長持ちさせる効果も得られます。

工場の洗浄とは

高圧洗浄機や業務用洗剤を使用し、汚れを洗い流す作業が工場の洗浄のお仕事です。工場の床やベルトコンベア、ホースやパイプなど製品の製造に欠かせない機器は細部まで、必要に応じて分解して洗浄します。洗浄することで雑菌の繁殖や汚れの蓄積が防げるので、食品製造工場などでは高い頻度で行われています。

製造業では「5S」の中の2つ

工場の清掃・洗浄のお仕事は、工場の管理体制の考え方として知られている「整理・整頓・清掃・洗浄・躾(しつけ)」の5Sの中の2つに挙げられています。よって、工場での生産・製造を適切な環境で行い、円滑に工程ラインを稼働させる上で欠かせない職種と言えます。

工場の清掃・洗浄用品や用具について

実際に使われている、控除の清掃・洗浄用品や用具をご紹介します。

洗剤

汚れを落とすために使う洗剤は、家庭用よりも専門的かつ強力なものが揃っています。鉱物油を落とし、かつ錆止め効果もあるので金属にも使える重工業用洗剤や、床やダクト、換気扇などの幅広い範囲で使える油汚れ用洗剤、人間の手にも使えるインクやグリース、オイルなどの汚れが落とせる植物性洗剤、工場の床についたフォークリフトなどのタイヤ痕なども消せるタイヤ痕リムーバーなどがあります。

清掃・洗浄用具

油汚れも吸着できる業務用のモップやハンディモップ、カーペットなどの細部まで入り込んでしまった繊維や髪の毛をブレードで絡めとるブルームと呼ばれる特殊な器具、側溝など狭い箇所でも使用できるほうき、こびりついた汚れをかきとるヘラなどが使われています。

清掃機械

水圧の力で洗浄と殺菌が同時に行える高圧洗浄機や、床の掃除機掛けにつかうハイパワーな業務用掃除機などがあります。

工場の清掃・洗浄のメリット・デメリット

色々な働き方ができる

工場の清掃・洗浄のお仕事は多くの雇用形態のある職種です。正社員はもちろん、パートやアルバイト、派遣社員の募集もあるので学生や主婦の方、シニア世代の方など幅広い年齢層や職種の方が働いています。また、期間限定のお仕事も多いので、長期休みを利用して働きたい学生の方や、家事や育児と両立させながら働きたい主婦の方からも人気です。

さらに、工場の組織元である企業の従業員として直接雇用されて清掃・洗浄のお仕事をする場合もあれば、工場の清掃・洗浄を事業として行っている会社に雇用されるなど、雇用先も選べます。

未経験でも始められる

工場の清掃・洗浄を行うのに特別な資格や免許は必要ありません。工場のお仕事に初めて挑戦したい人でも働きやすい職種です。

体を動かしながら働ける

工場のお仕事の中でも、決められた作業を黙々とこなす工程ラインの職種と違い、工場の清掃・洗浄は体も動かしながら働ける職種です。

元々掃除が得意・好きな人に向いている

工場の清掃・洗浄のお仕事はしつこい油汚れをヘラやブラシなどでこすり取ったり、床の戦場と殺菌を同時に行える高圧洗浄機を使用したりなど、工場の清掃・洗浄ならではの専門的な作業もたくさんあります。元々掃除が得意な人や好きな人は、特技を活かして手順も順調に覚えられますので、向いている職種です。

出来栄えが見えやすいのでやりがいがある

汚れていたパイプやホースを洗浄したり、床を清掃したりすると、汚れが目に見えて落ちていく様子が分かります。工場の清掃・洗浄のお仕事は自分が行った作業で「汚れが落ちてきれいになる」と、出来栄えが視覚的にも分かりやすいお仕事です。さらに、自分が工場の衛生環境を担っている、という自覚もできるやりがいのあるお仕事でもあります。

長期的に働ける

工場の清掃・洗浄のお仕事は業務を長く続けて作業を早く正確に行えるようになると、清掃・洗浄チームのリーダーなどのポジションを任されることも多いです。長期的に働いたり、キャリアアップを目指したりもできるほか、パートやアルバイトから契約社員や正社員への登用を採用している工場もあります。

手荒れや腰痛などの職業病になる可能性がある

工場の清掃・洗浄のお仕事は業務用に特殊な洗剤を使用したり、中腰の姿勢で機器の分解や洗浄作業を行ったりします。そのため、手荒れや腰痛など、工場の清掃・洗浄を行うことでなる「職業病」もあります。手荒れや腰痛がひどくなる前にケアをしたり、予防策を講じたりすれば防げます。

工場の清掃・洗浄の仕事に向いている人

工場の清掃・洗浄のお仕事の際に必要なものをまとめました。

細かいところまで気配りができる

せっかく清掃・洗浄を行っても落ち切れていない油汚れがあったり、ほこりがたまっていたりすると、そこから雑菌や汚れが繁殖してしまうことがあります。清掃・洗浄のお仕事は細かいところまで気配りができ、隅々まで完璧にきれいにすることが求められています。

汚れと向き合える集中力

なかなか落とせない汚れや、長年溜まってしまった業務用機器をオーバーホールして洗浄する時には、汚れをしっかりと落とすために作業に没頭しなければいけません。黙々とひとつの汚れを落とすことに集中できる人が向いています。

チームワークを大切にできる

工場の清掃・洗浄のお仕事はチームを組んで作業を行うことが多いです。チームのリーダーの指示に適切に従うだけでなく、ほかのメンバーと力を合わせて作業を進めていくチームワークの良さも求められます。

まとめ

工場の衛生環境を整える為に欠かせない、清掃・洗浄のお仕事の内容を紹介しました。未経験から始められるだけでなく、長期的に働きたい人やキャリアアップを目指したい人、パートやアルバイトとして働きたい人など多様な働き方もできる職種です。工場の稼働に欠かせない職種のため、今後も多くの求人が期待できる職種でもありますので、興味のある人はぜひ工場の清掃・洗浄のお仕事にチャレンジしてみましょう。