[更新日] 2022年3月14日

工場の惣菜の仕事内容とは?パート女性や学生バイトも活躍

スーパーやコンビニなどの小売店でおいしいお惣菜やお弁当が気軽に購入できるようになったのは、食品工場での大量生産が背景にあります。

これらを下支えしているのが、総菜の仕事を担うパートやアルバイトの存在です。ライン製造なので立ち仕事が多いですが、単純作業なので未経験でも求人募集が多くあります。

工場の総菜の仕事内容や、働くうえでのメリット・デメリット、総菜の仕事はどんな人に向いているのかについてご紹介します。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

工場の惣菜の仕事内容とは

主に食品工場で行われているお惣菜のお仕事について見てみましょう。

惣菜のライン製造

スーパーやコンビニで販売するお惣菜を工場のラインに沿って作業を行います。食材の軽量、切る、味付け、加工などをラインごとに行います。人の手によって行われるものもあれば、機械で自動化されている工程もあります。

不良品などのチェック

工程通りにお惣菜ができているか、万が一の異物混入などが起きていないかを、ライン工程の中でチェックします。機械による自動選別に加えて、人の目による目視も行われています。

パック詰め

できあがった惣菜を決められた分量ごとにプラスチックや発泡スチロールでできたパックの中に詰めていきます。

シール貼り

お惣菜の前面や後ろについている栄養成分や原材料、製造販売した企業の名前や連絡先、製造年月日と品質保証期限などが記載されたシールを貼っていきます。これも、機械でオートメーションされている場合もあれば、人の手で検品もかねて行われている工場もあります。

できあがったお惣菜の出荷

製造と検品を経てできあがったお惣菜は、各出荷先に運ばれます。できあがったお惣菜を出荷先別にコンテナにしまったり、パレットにまとめて置いておいたりします。

お惣菜を作る工場の取り組みや工夫とは

食品を取り扱うお惣菜の工場では、安心・安全に口にできる製品を作るために安全管理や衛生管理が徹底されています。

生産ラインに入るまでの徹底した衛生管理

お惣菜を取り扱う食品工場では、従業員が外から細菌やウィルス、異物を持ち込まないように、外から工場、工場内から生産ラインに入るまでに徹底した衛生管理が行われています。

例えば、私服から作業服に着替える前に、私服でもローラーで髪の毛やごみなどをとってから着替える、私服から作業服に菌や汚れが移らないようにロッカーは2段になっている、などです。作業服も、ネット付きの帽子に、袖口や足元が絞られた構造になっています。

着替えた後は、再度作業服をローラーできれいにした後、作業服の髪の毛やごみを風の力で吹き飛ばすエアシャワー、手洗いや消毒を行ってから生産ラインに入ります。なお、工場の生産ライン内に入るには、一連の衛生管理手順を踏まないとドアが開かない仕組みになっているところも多いです。

ゾーンによって床の色を分ける

お惣菜を始めとした食品を取り扱う工場では、衛生管理の重要度によって2~3段階のゾーン分けがされています。例えば、届いた食材などの在庫を管理したり、できあがった食材を出荷するエリアは一番衛生管理の重要度が低いゾーン、食材を加熱調理したり、出荷前の準備をするエリアは中程度の衛生管理の重要度のゾーン、食材を切ったり、冷却したり、盛り付けたりするエリアは一番食中毒などが発生しやすいため、衛生管理の重要度が高いゾーン、などです。それぞれのゾーンごとに床の色を緑・黄色・赤などに分けて、衛生管理の重要性を分かりやすくしています。

なお、緑のゾーンに外部との扉を集中させる、黄色のゾーンは洗浄や清掃がしやすい造りになっている、赤のゾーンは外部からの細菌や虫が入らないように、気圧が高めになっている陽圧環境にする、などの工夫がされています。

製品と人の流れを一方通行にする

食中毒や細菌、異物混入などは、人から人、人から製品、製品から製品、といった人と製品が接触する時に起こります。よって、人同士や製品同士、人と製品がぶつからないように、人も製品の製造ラインの流れも一方通行にして、感染や異物混入を防ぐ造りになっています。

繁殖を防ぐための冷却

作りたてのお惣菜は熱々ですが、食材の温かさを感じる温度である15~60℃は細菌も繁殖しやすい温度です。そのため、お惣菜を始め食品を取り扱う工場では、できあがった食品をすぐに冷却し、菌の繁殖を抑える取り組みをしています。食品が冷めてから涼しい環境でパック詰めを行い、容器への菌の繁殖も防いでいます。

工場の惣菜の仕事のメリット・デメリット

工場のお惣菜のお仕事のメリット・デメリットについてご紹介します。

食べ物が好きな人、お惣菜が好きな人向け

自分でも料理や食べること、お惣菜が好きな人にはうってつけのお仕事です。お惣菜や食材に関する知識も増えるので、女性からの人気も高くなっています。

柔軟な働き方ができる

お惣菜を作る工場は、市場のニーズが安定しているところが多いため、求人も豊富に出されている特徴があります。正社員として働くのはもちろん、シフト制で自分の都合の良い時間に働ける工場がほとんどですので、パートやアルバイトとしても働けます。早朝だけ働きたい、夕方だけ働きたい、夜勤でしっかり稼ぎたい、などライフスタイルに合わせた働き方もできるので、主婦の人から特に人気です。

単純作業なので未経験者でもできる

お惣菜のお仕事は、ほぼ単純作業で進行します。特別な資格や免許も必要なく、工場のお仕事をしたことがない人でも可能です。

立ちっぱなしの作業もある

調理工程からパック詰め、検品や出荷まで、お惣菜を作るお仕事は立ちっぱなしで行うことも多いです。さらに、担当する生産ラインによっては、暑い環境・寒い環境での作業もあります。ある程度の体力が必要ですが、体を動かしながら働きたい人や、暑さ寒さは苦にならない人には最適です。また、シフト制の短時間勤務もできる工場も多いので、自分の体力の範囲で働ける時間を決めて勤務すれば、体力面での不安も気にならなくなります。

工場の惣菜の仕事に向いている人

未経験の人にも最適なお惣菜のお仕事に就く前に、知っておきたい心構えや必要なものを見ておきましょう。

チームワーク

工場のお惣菜のお仕事は、生産ラインのひとつを担って作業を行います。作業自体は単純なため一度仕事を教わればスムーズにできる人がほとんどですが、一緒のラインを担当している人や、次のラインを担当している人とのチームワークも必要になります。さらに、工場のお仕事の中でも女性が多いお仕事のため、ある程度のコミュニケーション能力も必要です。

とはいえ、お惣菜を作るお仕事は、職場の雰囲気もアットホームなところも多いです。人と力を合わせて仕事をしたい人や、大勢の人と関わりながら仕事をしたい人には向いています。工場求人サイトの求人内容を確認すれば、応募前に職場の雰囲気を見ることもできます。

丁寧さと正確さ

お惣菜を始め、食品を取り扱う工場のお仕事は、細菌や異物混入が発生し、そのお惣菜が市場に出てしまうと企業へのダメージだけでなく、お惣菜を購入したお客様へも大きな迷惑や悪影響を与えてしまうことになります。そのため、工場全体で徹底した衛生管理を行っていますが、ひとりが気を抜いたり、ひとつの工程を抜いてしまったりすると、それが原因で多大な被害や事故となってしまうこともあります。

常に食品を取り扱う責任感を忘れず、作業は丁寧、かつ正確に行う心がけが大切になってきます。

女性も活躍する現場

工場のお惣菜のお仕事についてご紹介しました。主婦の方や学生さん、女性の多い職場ですが男性も多く活躍しています。食べること、作ることが好きな人はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。