[更新日] 2022年3月14日

板金塗装や外壁塗装の仕事内容と求人状況について

私たちの身近にある製品は、様々な材質から作られています。味気ない材質のままだった外見を美しく彩るお仕事が「塗装」です。ここでは、塗装の仕事内容や活躍業種、求人状況について解説しています。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

塗装のお仕事の内容を職種別に見てみよう

建物への塗装を行う建築塗装

一般家庭の住居である一戸建てからアパート・マンションの集合住宅、高層ビルまで建物全般への塗装を行うのが建築塗装工です。新築はもちろん、リフォームやリノベーションをする建物へ古い塗装や傷を落とした上での塗装も行っています。

建築塗装工は以下の4つの塗装を主に行っています。

外壁の塗装

常に雨風に晒される外壁は劣化も激しいため、建築塗装工の中でも特に需要が高くなっています。外壁の材質に適した塗料を選択後、広範囲を均等に塗れるはけやローラーで下塗り、中塗り、上塗りと呼ばれる三段階の塗りをし、最後にスプレーによる吹き付け塗装で仕上げます。建物の見た目を決める重要な塗装を担っていますので、近年では吹き付けの際に模様を描いて、デザイン性の高い外見にすることも多くなりました。

屋根への塗装

屋根は雨風だけでなく直射日光や暑さ寒さからも家を守ってくれます。屋根のさびや雨漏りを防止するため、そして家の断熱性を高めるための塗料を選んで塗装をします。

鉄部分への塗装

塗装が剥がれた鉄の部分は、そのままにしておくとさびが発生し腐食が進み、最後はもろくなってしまいます。まず鉄への塗装を行う前のさび止め、中塗り、上塗りの三段階で仕上げます。鉄の部分への再塗装を行う時には、しっかりさびを落としてから行います。

ベランダへの塗装

ベランダの足元は雨によるさびや直射日光によって劣化してしまいますので、外壁や屋根と同じく、ベランダの材質に合わせた塗料を選んで塗装をします。

自動車やバイクへの塗装

自動車やバイクへの塗装は、自動車やバイクを製造するメーカーの工場で塗装を行うほか、傷や塗装が剥げてしまった自動車やバイクへの塗装を行う板金塗装などがあります。

自動車・バイクメーカーにおける塗装

新しい自動車やバイクの生産を行う工場内にて塗装を行います。吹き付け塗装で自動車やバイクの表面から細かいパーツまであらゆる塗装を行います。特に、車体への塗装は自動車やバイクの個性やメーカーのコンセプト表現にも大切な箇所ですので、特殊な色を出す塗料を使用することもあります。

工場や自動車販売店などで行う板金塗装

自動車やバイクで事故を起こしたり、ぶつけたりこすったりすると塗装が剥げて傷ができてしまいます。へこみや傷を元の塗装状態に近づけるように塗装するのが板金塗装です。板金を専門で担っている工場もあれば、近年では自動車やバイク販売店に併設されている板金工場もあります。

家具や電化製品への塗装

木材を使用した家具へは、木の風合いの美しさを残しつつ傷や劣化を防ぐための塗装を行います。また、テレビやパソコンなどの鉄やアルミが使用されている電化製品へは、さびを防いだり見た目を美しくしたりするための塗装を行います。

多様な働き方も魅力! 塗装のお仕事のメリット・デメリットについて

塗装の仕事のメリット・デメリット

自分の特技を生かして働ける

塗装のお仕事は多岐にわたります。体力に自信があり、毎日外で働いても構わない!方なら建築塗装。自動車やバイクが好きな方なら自動車やバイクの塗装。など、自分の特技ややってみたい仕事内容によって色々な求人を選んで働けます。

自分でものを作り出す達成感がある

塗装は建物や製品を保護するだけでなく、見た目を美しくする役割もあります。無骨な外見を自分の手で美しくして行ける塗装は、大きな達成感も味わえるやりがいのある仕事です。元々DIYやプラモづくりが好きな方にもピッタリ。

期間限定のお仕事もあるので、ライフスタイルに合わせて働ける

製品が爆発的にヒットして生産稼働率が上がったり、インフラ整備や建設ラッシュが起きたりすると、当然塗装のお仕事の需要も高くなります。あらかじめ決まった期間だけ働ける塗装のお仕事もあるので、「短い期間でしっかり稼ぎたい」という時にもおすすめ。

塗料の匂いが苦手な人には不向き

塗装のお仕事は、シンナーやトルエンなど匂いの強い塗料を使うことも。塗料の匂いが苦手な人には当然不向きです。

塗装の仕事をするには?方法や必要なものについて

資格は不要だが、職業訓練所や国家検定もある

塗装の仕事は資格がある?

塗装のお仕事には、特定の資格や免許は不要です。ただし、各都道府県の就労支援の一環として、塗装業の職業訓練コースを設けている自治体もあります。初めて塗装の仕事にチャレンジしてみたい人や、正規雇用で塗装の仕事を目指したい人にもおすすめです。

◇訓練科の概要◇
職業経験の少ない方を対象に訓練する本科では、「社会人としての就業基礎」と「建築塗装に関する知識・技能」を習得するための訓練を行います。社会人に必要な就業基礎を身に付ける訓練では、「作業体験」や「職場体験」などにより就業に対する意識を持ち、社会人に求められる「ビジネスマナー」「コミュニケーション能力」などの基礎を学びます。また、塗装の訓練においては、建築塗装・木工塗装・金属塗装の各種塗装作業の基本を学ぶとともに、建築塗装工事に関連する作業も訓練に取り入れ、より実践的な建築塗装作業の知識と技能を習得することができます。

◇就ける仕事◇
☆建築塗装工事業☆

建物の外面や室内などに、目的に合った塗装を刷毛やローラー、スプレーガン等を用いて施します。

東京都TOKYOはたらくネット:若年者就業支援(建築塗装コース)

また、塗装の仕事を通じてのキャリアアップをしたい人や、一生の仕事として塗装を選びたい人には、国家検定である「塗装技能士」の資格取得もおすすめです。

参考:国家検定技能試験3級 塗装(金属塗装作業)のご案内

期間工なら求人へ応募する

働く期間の決まっている期間工としての塗装のお仕事求人も豊富にあります。家電付きの社員寮が完備されている大手メーカーの塗装期間工求人も豊富にあるため、決まった期間だけ集中的に働きたい時や出稼ぎとしても人気です。

丁寧・根気を忘れずに

塗装面に塗りむらあったり、中にごみや虫が入ってしまったりするとそれだけで塗装の仕上がりは台無しになってしまいます。均一に決まった色を工程に合わせて行う塗装のお仕事は、丁寧さと根気が必要です。また、材質に合わせて適切な塗料や塗り方も選ばなければいけないので、常に向上心を持って仕事をすることも求められます。

自分が働きたい塗装の職場を探そう

塗装のお仕事は活躍の場も様々。そのため、求人を探す時には「自分はこんな塗装の仕事がしたい」と明確な目的やビジョンを持って求人探しをしましょう。

塗装の仕事を始めてみよう!

最後の仕上がりを決める塗装は、丁寧さや根気が必要な仕事ですがそれだけやりがいもある仕事です。

国や都道府県の職業訓練や、塗装の求人を豊富に取り扱っている求人サイトを上手に活用すれば、より自分自身が働きたい塗装のお仕事に近づけますよ。