[更新日] 2020年12月1日

危険物取扱者 甲種には受験資格がある!難易度と就職先について

危険物取扱者甲種の特徴やメリット、試験内容や受験資格について解説しています。

危険物取扱者のなかでも、すべての危険物の取り扱いや保守点検、保安管理をできるようになるのが、危険物取扱者甲種です。

ほかの危険物取扱者よりも仕事の幅が広がり、求人数も多いため転職や就職にも有利といえます。ただし、すべての危険物を取り扱えるからこそ、受験資格があったり、試験難易度がほかのものよりも高かったりと、取得が難しいと感じる人も多いでしょう。

ほかの危険物取扱者資格を持っている人でキャリアアップをしたい人や、受験資格を満たしているなら危険物取扱者甲種に挑戦した人も、ぜひ参考にしてください。

執筆者のプロフィール

はたら工場マガジン編集部
編集部には工場での仕事経験者をはじめ、ものづくりに関わる資格保有者や人材派遣会社のキャリアコンサルタント経験者が在籍。工場や製造業の仕事をわかりやすく解説します。専門家たちが集まる「はたら工場マガジン」の運営から得た知見を活かした情報発信を心がけています。

甲種危険物取扱者の特徴

危険物取扱者甲種は、乙種第1類から第6類まで、および丙種のすべての危険物の取り扱いができる免許です。ほかの危険物取扱者資格と異なる特徴があります。

受験資格がある

危険物取扱者には、甲種、乙種、丙種があります。乙種と丙種は受験資格がなく、誰でも受験可能です。一方甲種は受験資格があります。受験資格を満たさないと試験が受けられません。

まずは受験資格を満たしているか、満たしていないならどんな選択肢があるのかを考えて受験資格を得ましょう。

危険物保安監督者になれる

危険物取扱者甲種または乙種を取得した状態で危険物に関する実務経験が6カ月以上あると、危険物保安監督者になれます。

危険物保安監督者とは、特定の危険物施設で施設を安全に管理するために必ず置かなければいけない監督者です。

また、甲種の免許を取得している状態で危険物保安監督者になれば、甲種防火管理者の有資格者としても認められます。

甲種防火管理者は、消防法第8条や火災予防条例第55条の3で規定された以下の施設に必ず置かなければいけません。

  • 社会福祉施設など、火災発生時に自力で避難できない人が10人以上収容されている施設
  • 劇場や映画館、ホテルなど不特定多数の人が出入りする、収容人数30人以上の施設
  • 学校、工場、共同住居などの収容人数50人以上で非特定防火対象物に指定された施設
  • 指定数量の1,000倍以上の危険物を貯蔵する施設
  • 50台以上の車両を収容する屋外駐車場 など

甲種防火管理者資格は消防署などで行なわれている防火管理者講習を受けて修了すると取得できます。

甲種免許を持つ危険物保安管理者の場合、講習を受けなくても有資格者扱いとなるのです。

甲種危険物取扱者のメリット

危険物取扱者のなかでも最上位となる甲種危険物取扱者は、以下のメリットがあります。

  • 必置資格のため今の仕事に活かせる可能性がある
  • 取り扱える危険物が多いため求人も多い
  • 取得していると優遇措置や年収アップも狙える
  • 今仕事に活かせる可能性がある

危険物取扱者はいずれも国家資格であり、一定数量以上の危険物の貯蔵や取り扱いを行う施設には必ず置かなければいけない必置資格でもあります。

今の仕事が危険物の取り扱いに関係のないものとしても、事業拡大などで危険物を取り扱うようになったとき、甲種危険物取扱者資格があれば、そのまま保安監督者や防火管理者に抜擢される可能性があります。

取り扱える危険物が多いため求人も多い

甲種は乙種丙種すべての危険物の取り扱いと保安、点検が許可されます。取り扱える危険物の種類を問わないため、ガソリンスタンドや化学工場、貯蔵タンクなどいろいろな施設で働けます。

また乙種危険物取扱者が立ち会えば、危険物取扱者資格を持っていない人でも危険物の取り扱いや点検ができるようになります。危険物の取扱以外にも、防災や防火の観点からの求人も多くなっています。

取得していると優遇措置や年収アップも狙える

甲種危険物取扱者資格を取得することで、企業によっては特別手当がもらえる、年収が上がる、就職で優先的に採用されるなどのメリットがあります。

甲種が活躍できる仕事

甲種危険物取扱者が活躍できる仕事には、以下のものがあります。

  • ガソリンや灯油などを扱うスタンドのスタッフやドライバー
  • 化学薬品や化粧品の工場での生産業務や管理業務
  • 食品メーカーでの品質管理業務
  • 物流倉庫内のスタッフ
  • 環境調査員
  • 施設の設備メンテナンススタッフ
  • 社会福祉施設の防災スタッフ など

甲種危険物取扱者の試験内容と難易度

甲種危険物取扱者試験を受けるには、試験日程ごとに定められた期間までに受験申請を行います。

試験日程は受験する都道府県によって異なり、一般財団法人 消防試験研究センターの公式サイトにて公表されています。

また、申請方法には書面申請と電子申請があります。

甲種危険物取扱者試験の科目は以下の通りです。

甲種の試験科目
試験範囲 出題数
危険物に関する法令 15問
物理学及び化学 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 20問

試験時間は2時間30分です。すべての試験科目ごとの正解率が60%以上で合格になります。

実技試験はなし

五肢択一式の筆記試験のみで、実技試験はありません。

受験料

危険物甲種の試験手数料は6,600円です。

受験資格

以下の5つのうち、いずれかの受験資格を満たす必要があります。

  1. 大学等(大学、短期大学、高等専門学校、専修学校など)で化学に関する学科を修了、卒業する
  2. 大学等で化学に関する授業科目を15単位以上取得する
  3. 乙種危険物取扱者を取得して、危険物の取り扱いに関する業務の2年以上の実務経験がある
  4. 第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類のうち4種類以上の乙種危険物取扱者免許を取得している
  5. 化学に関する学科や事項を専攻し修士または博士の学位を取得する

甲種の合格率は約33%

甲種危険物取扱者の難易度はほかの危険物取扱者免許よりも高く、令和1年では合格率は約33%となっています。

甲種の勉強方法

甲種危険物取扱者の勉強のために、参考書と過去問問題集を用意します。

参考書で知識を得つつ、過去問を解く正攻法が有効です。過去問を一通り解いたら、本番を想定した模擬問題に挑戦します。

模擬問題の正解率が6割以下なら参考書からもう一度勉強し直します。6~8割以上の正解率なら、模擬問題を繰り返し解いていきます。

勉強時間の目安

合格するための勉強時間は、30~40時間を目安にしましょう。

勉強時間を確保するため、1日2~3時間勉強できるなら試験日の2週間前くらいから、1日1時間前後の勉強時間なら、試験日の1ヶ月半前から勉強をはじめましょう。

ポイントは、毎日勉強時間を確保し、勉強を習慣づけることです。